第3話:益子焼との出会い
Column 03
重たい「土釜」を選んだ理由
「峠の釜めし」のシンボルといえば、あめ色のつややかな益子焼の土釜です
持ってみるとずっしりと重いこの容器 なぜ、持ち運びが重要な駅弁に、あえて重たい陶器を選んだのでしょうか?
開発当時、4代目社長・高見澤みねじはお客様の要望である「温かいお弁当」を実現するため試行錯誤を繰り返していました
「私が探していたのはこれだ!」
そんなある日の夕暮れ時、栃木県の益子焼の窯元「つかもと」の行商人が荻野屋を訪れました そこに一人用の土釜があったのです
彼は荻野屋を訪れる前に、他の弁当店にも売り込みに行っていましたが、「重すぎる」「駅弁には不向きだ」とことごとく断られていたのです
Mashiko Pottery
Chapter 02
社運を賭けた決断
しかし、その土釜を見た瞬間、みねじは直感しました
土釜には優れた保温性があります そして何より、土の手触りには、プラスチックや木の折箱にはない「温もり」がありました
「釜と日本人は切っても切れない間柄 この釜でご飯を炊けば、旅人に家庭の食卓のような安らぎを感じていただける」
── 高見澤みねじ
周囲からは「重くてお客様の荷物になる」「割れる危険がある」と反対の声も上がりました
しかし、みねじは迷うことなく、その場にあった在庫7,000個をすべて買い取る決断をしました 社運を賭けた一大決心でした
真心という重み
結果として、この土釜こそが「峠の釜めし」の代名詞となりました
食べた後も家庭でご飯を炊いたり(1合炊きにぴったりです)、植木鉢にしたりと、旅の思い出として長く愛されることになったのです
重さの中に込められているのは、作り手の「真心」という重みでもあるのです
Related Product
このコラムの関連商品:峠の釜めし