Oginoya History
温もりと革新の140年
第1話
1885年、汽笛と共に
「おむすび」から始まった荻野屋の旅
私どもの物語は、今からおよそ140年前、明治という新しい時代が熱気を帯びていた頃に始まる
1885年(明治18年)10月15日 群馬県と長野県の県境に位置する横川駅が開業した この日、駅の開業と同時に、鉄道省より構内営業の許可を得て産声を上げたのが、私たち「荻野屋」である
高見澤政吉と妻のトモは、もともと碓氷峠の麓にある霧積温泉で「荻野屋」という屋号の旅館を営んでいた 霧積温泉は、伊藤博文や与謝野晶子ら多くの文化人・政治家に愛された避暑地だった
そんなある日、荻野屋に投宿していた明治の元勲・桂太郎が信越線の開通をトモに話した その話を聞くと彼らは山を下り、未知なる「駅弁」という商売に挑戦する決断をした
竹の皮に包まれた塩おにぎりが2個と、たくあんが2切れ
価格は5銭
当時のうなぎ丼が10銭だった時代 決して安いものではなかった しかし、この素朴な「おむすび」は、これから碓氷峠という難所に挑む旅人、あるいは峠を越えて安堵した旅人たちの、心と体にしみわたる何よりのご馳走だった
1893年(明治26年)に横川駅と軽井沢駅を結ぶ区間が開通となる 横川駅は、急勾配の碓氷峠を越えるため、すべての列車が補助機関車を連結・切り離す必要があり、長時間停車する特殊な駅だった
その停車時間は、私たちにとってお客様と触れ合う大切な時間となった おむすびから始まった私たちの旅は、のちに「峠の釜めし」という稀代のロングセラーを生み出すことになるが、その根底にあるのは、創業時から変わらぬ「旅人の疲れを癒やしたい」という素朴で温かい想いである
創業から140年余り 変わらぬ想いを胸に、今日も峠の釜めしをお届けしている
Since 1885
荻野屋