Oginoya History
温もりと革新の140年
第4話
春の訪れと「彩り」の秘密
なぜ杏(アンズ)が入っているの?
益子焼の蓋を開けた瞬間、湯気とともに現れる彩り豊かな具材たち 「峠の釜めし」の蓋を開ける瞬間は、何度体験してもワクワクするものである
茶飯の上に敷き詰められているのは、鶏肉、シイタケ、ウズラの卵、栗、ゴボウ、タケノコ、グリンピース、紅ショウガ、そしてアンズの9種類 これらの具材は、単に美味しいものを集めただけではない そこには「日本の山の幸」と「彩りの美しさ」へのこだわりが詰まっている
特にタケノコやゴボウは、大地の力強さと春の訪れを感じさせる食材である シイタケは噛むほどに旨味が溢れ出すよう濃いめに味付けされている
「なぜお弁当に甘いアンズが入っているのか?」
お客様からよくご質問をいただく しょっぱいおかずの中に、一つだけ甘酸っぱい果物 実は2つの役割がある
一つは箸休めであり、食後のデザートの役割を果たしている しっかりとした味付けのご飯や鶏肉を食べた後、アンズの甘酸っぱさがお口の中をさっぱりとさせてくれる この「甘じょっぱい」バランスこそが、最後まで飽きずに食べ進められる秘密なのである
そしてもう一つはアンズには整腸作用があると言われている 峠の釜めしを食べた後もお腹の調子を整え、無事に旅を続けてほしいという荻野屋の気遣いのあらわれでもある
全体の色合いも、茶色一辺倒になりがちな駅弁の中で、グリンピースの緑、紅ショウガの赤、卵と栗の黄色、そしてアンズの橙色が鮮やかなコントラストを描き、目でも楽しめるように工夫されている 「見て楽しい、食べて美味しい」 それが峠の釜めしの流儀である
「見て楽しい、食べて美味しい」
それが峠の釜めしの流儀
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荻野屋